殿、利息でござる!

殿、利息でござる!

こんにちは!
幸せ実践塾・塾長の赤木あつしです。

今朝、無事にバンコクに戻ってきました。

今回は丸4日間、東京に滞在しました。

「腰痛学校」の伊藤かよこさんに会い、
小宮昇さんのお話会で
「神との対話4」の情報を聞き、
「かみたい」仲間と談笑しました。

PASAITの「悟りの会」仲間と会い、
レイキの練習交流会に参加。

そして昨日は、
直傳靈氣の師範格を取得しました。

これで、今回のミッションは完遂です。

今朝のバンコクは、
この時期には珍しく雨が降っていますが、
親切なタクシー運転手さんに当たり、
快適でした。

アパートに到着した時、
100バーツ以上チップを上乗せして、
代金を支払いました。

アパートの守衛さんや、
いつも行くコンビニのおばさんなどへ、
お土産を渡しました。

本当に、良い旅になったと思います。

しかし、最後の最後のエピソードは、
それらと同じかそれ以上に、
素晴らしいものでした。

今日は、そのことを語ります。

昨日、ブログ記事で紹介したのは、
白駒妃登美さんの本です。

「幸せの神様に愛される生き方」
http://4awasejsn.seesaa.net/article/456099800.html

その本の中で白駒さんは、
こういうことを言われています。

「江戸時代の経営者は、
「商売繁盛」は決して願わなかったそうです。
 では、
江戸時代の経営者が何を祈ったのかというと
「諸国客衆繁盛」です。」
(p.76)

つまり、自分が良くなるようにではなく、
自分につながる人々の幸福を祈ったのです。

それが江戸時代の人々の
粋な生き方だったのだと紹介します。

その例として取り上げたのが、
「殿、利息でござる!」
という映画だったのです。

原作は、
「無私の日本人」(文藝春秋)という本で、
作者は歴史学者の磯田道史さん。

仙台藩領の吉岡宿の実話です。

一通の手紙によって吉岡宿の人々の話が
磯田さんへもたらされました。

差出人は、郷土史家の吉田勝吉さん。

寂れて貧しい吉岡宿で、
街が滅びることを危惧した人々が集まり、
藩に金を貸すことで利息を得、
それによって街を存続させたという話です。

藩に貸した千両は、
9人の篤志家が差し出したお金。

そして藩からの利息は、
住民全員に分け与えられます。

では、篤志家たちは何を得たのでしょう?

実は、何も得なかったのです。

少なくとも経済的な得は。

「放っておけば、
やがて忘れ去られるであろう、
九人の篤志家の美しくも尊い生き方。
それをぜひ作品として
描き構成に伝えてください、
というのが手紙の趣旨でした。」
(p.117)

思いを託された磯田さんは、
本のあとがきにこう書かれたそうです。

「ほんとうに大きな人間というのは、
世間的に偉くならずとも金を儲けずとも、
ほんの少しでもいい、
濁ったものを
清らかなほうにかえる浄化の力を
宿らせた人である。
この国の歴史のなかで、わたしは、
そういう大きな人間をたしかに目撃した。
その確信をもって、
わたしは、この本を書いた。」

自分が金が儲かるから、
出資するのではありません。

街の繁栄あってこその自分たちの繁栄である、
ということがよく分かっていたのでしょうね。

そしてクライマックスですが、
実はその映画が、
機内のメニューにありました!

最初はハリウッド映画でも観ようと思い、
チャンネル紹介冊子の最初の方を
パラパラとめくっていました。

しかし、せっかくだから邦画に何か
いいものがないかと思って、
中の方もめくってみたのです。

その時、
「殿、利息でござる!」
というタイトルを見つけました。

日本へ向かう機内では気づかず、
トム・クルーズの映画を観たのですけどね。

白駒さんの本を読んだことで、
タイトルに目が止まったのです。

喜劇的な要素もありながら、
最後は泣けて泣けて仕方ありませんでした。

家族への思い、街への思い、
それでも残るお金への執着心・・・

様々な思いが交錯する中で、
藩に1000両を渡し、
毎年利息を受け取るという仕組みの提案が
実現したのです。

私はそのエンディングを観ながら、
号泣してしまいました。

涙をボロボロと流し、
嗚咽を漏らすほどです。(笑)

ほぼ真っ暗な機内ですし、
音もうるさいから、
他の人には気づかれなかったと思いますが。

何に感動したかというと、
「無私の愛」です。

まず彼らは、
自分が儲かる可能性を捨てたのです。

お金を出しても、
その元本が返ってくることはありません。

その利息は、街の者全員が受け取ります。

儲からないかもしれないけど・・・
というレベルではありません。

確実に損します、という話です。

それでも、
身代を潰す覚悟であり金をかき集めて
その元本を提出した。

そんなことができるでしょうか?

名誉?

それも違います。

誰がいくら出したか、名前も残さない、
口外してもいけない、
という取り決めまで作りました。

仮に自分が謙虚に振る舞ったとしても、
子孫がそのことで
尊大に振る舞うことを怖れたのです。

私は、自分に置き換えて考えてみました。

すると、
こんな思いが湧き上がってきたのです。

まだまだお金にしがみついているなぁ。

投げ出せ!
あらいざらい投げ出してしまえ!

それが他の人たちを助けることになるなら、
かまうことはない。

そんな生き方をしたいんじゃないのか?

まだまだ、
自分が生きていけるだろうか、
という不安が心にあります。

それを「捨てろ」と
天から言われたような気がしました。

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」

身を捨てなければ、
浮かぶという経験はできないのです。

【編集後記】

今回も充実した一時帰国になりました。

20冊近い本も持ち帰ったので、
ペースを上げて読みたいと思います。

バンコクで暮らすのは、
残り1ヶ月半くらいですからね。

できればその間に、
20冊くらい読み終えたいですね。

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赤木篤 (あかき・あつし)


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