愛の誓いが2人を引き裂くことに

愛の誓いが2人を引き裂くことに

こんにちは、赤木です。

西洋文化が入り込んだ日本では、
キリスト教式の結婚式が多いですね。

その式の中で、
「愛の誓い」という儀式があります。

「汝○○は、△△を妻(夫)とし、
良き時も悪き時も、・・・
死が2人を分かつまで、愛を誓い、
妻(夫)のみに添うことを、
神聖なる婚姻の契約のもとに誓いますか?」

「誓います。」

こうして、互いに相手だけを特別に、
永遠に愛することを神に誓うのです。

2人は愛を誓いながら、
互いに「この人と一生添い遂げよう。」と
決意します。

美しい...ですか?

現実の世界に引き戻して
申し訳ありませんけれど、
そうやって誓い合ったカップルの
大半が破局します。

ウソじゃありませんよ。

実際に離婚率は50%を超えています。

また離婚するに至らなくても、
家庭内別居など、
愛のない夫婦関係を続けるカップルが
多数います。

このことから考えれば、
愛を誓い合ったカップルの大半が
破局という結果に至ると言っても
過言ではないでしょう。

あんなに真剣に誓い合ったのに、
どうしてでしょう?

実は、「愛の誓い」を行ったことが、
そもそも破局の原因なのです。

「そんな馬鹿な!?」

そう思われるのも仕方ありませんが、
これは事実です。

イエス・キリストでさえも、
そう言っています。

「しかし、わたしはあなたがたに言う。
いっさい誓ってはならない。
天をさして誓うな。
そこは神の御座であるから。」

(マタイによる福音書第5章34節)

「あれれれれー?
イエスが誓うなと言っているのに、
教会は誓わせているの?」

そうなのです。面白いですね。

「でも、どうして愛を誓い合うと
破局につながるの?」

そこですよ。その理屈を理解することが、
何よりも重要です。

それを知るにはまず、
「なぜ愛を誓う必要があるのか?」
ということを考えてみることです。

あなたが相手を愛しているなら、
どうして愛を誓うのでしょう?

誓わなくても愛しているのですから、
それで良いではありませんか?

誓うのは、まず、
「自分が変わるかもしれない」と
怖れているからではありませんか?

いつか自分は、
相手を愛さなくなるかもしれない。

もし神に誓い、神と約束したならば、
万が一その約束を反故にした場合は、
神の罰を受けることになるだろう。

その神の罰を怖れる気持ちが、
愛さなくなるという事態を防いでくれる。

つまり神罰の恐怖を利用して、
自分を強制するために愛を誓うのだ。

もしそう考えているとしたら、
それがまさに破局の原因となっています。

将来どうなるかわからない自分を、
今の自分が制限しようとしています。

つまり、
自分で自分の自由を
束縛しようとしているのです。

でも自由がなくなれば、愛は死にます。

愛は自由であって、
何の制限もないものだからです。

義務になった瞬間、
それは愛ではなくなるのです。

また、こんな理由も考えられます。

もし相手が将来、
自分のことを愛さなくなったなら、
愛を誓って契約したことを根拠に、
相手の契約違反を追求できる。

そうすれば相手に、
契約を誠実に履行させることができる。

あるいは、
追求されることの怖れによって、
相手が愛さなくなることを
未然に防ぐことができる。

でもこれも同じように、
愛を破局させる原因となっています。

契約を誠実に履行させるとは、
やりたくないことを相手に
強いることではありませんか?

相手が契約を履行したくないのに、
その意志に反したことをさせる。

それはつまり相手の自由を奪い、
相手に相手らしからぬことを強制すること。

それは愛でしょうか?

愛は制限とは対極のものです。

愛は強制しないし、愛は奪いません。

このように、
「愛の誓い」をする必要があるのは、
将来も今の愛を保証するためです。

けれども、
保証を求めることは、
愛から遠ざかることを意味します。

だからいずれ愛は破綻し、
2人の関係は破局を迎えるのです。

理屈を考えてみれば、
当然の帰結だとわかりますよね?

愛を誓う必要はありません。

いえ、愛を誓ってはなりません。

誓った瞬間に、
それは愛ではなくなるからです。

私たちの本質は生命であり、
自由であり、愛なのです。

その私たちが
本質に反することをするなら、
上手く行かなくても当然でしょう。

だからイエスは言ったのです。
「誓ってはならない」と。

愛はただ、表明すれば良いだけです。

あなたの自由意志で選択し、
愛するのが自分らしいと思うなら、
相手がどうかに関係なく、
穏やかに宣言するのです。

私は、あなたを愛しています。

العربية简体中文EnglishFrançaisDeutsch日本語PortuguêsEspañolไทย